保育園とは?小規模保育園や企業主導型保育園など種類を解説

働くママパパの味方、保育園。保育園とひとくちで言っても、実は様々なタイプがあります。この記事では、保育園の種類と特徴をわかりやすく紹介します。

認可保育施設と認可外保育施設

「認可保育施設」とは、国が定める一定基準を満たし、都道府県知事に認可された施設です。「認可外保育施設」とは、認可保育施設以外の施設を言います。

認可保育施設には、以下のような施設があります。
・認可保育園
・小規模保育園
・認定こども園(2号、3号認定の場合)
・家庭的保育事業
・事業所内保育事業(地域枠)

認可外保育施設には、以下のような施設があります。
・東京都の認証保育園
・横浜保育室
・企業主導型保育園
・夜間保育ところ
など

【認可保育施設】

認可保育施設には、認可保育園や小規模保育園などがあります。種類ごとに特徴を紹介します。

認可保育園

0歳1歳から小学校入学前まで、ずっと預けられる

認可保育園(認可保育所)は、児童福祉法で定められた基準を満たし、市区町村に認可された保育施設です。自治体が運営する公立保育園と社会福祉法人や株式会社などが運営する民間保育園に分かれます。
入園できる年齢は施設により異なりますが、0歳から就学前まで利用できるところが大半です。そのため一度入園できれば転園する必要がないので、認可保育園は働く親に人気です。

自治体の選考により入園できるか決まります。入園を希望する園の候補をいくつか選び、自治体に申込みます。申込の内容を自治体が選考し、入園先が決まります。
保護者は各園に利用申込をしなくても済みますが、希望の順位が低い園に入園が決まる可能性があり、希望した園に入園できるとは言いがたいのが現状です。

<公立保育園と民間保育園の違い>
  • ベテラン保育士が多い公立保育園
  • 英会話など独自のカリキュラムがある民間保育園

認可保育園には、公立保育園と私立保育園の2種類があります。公立保育園は市町村が運営する保育園で、民間保育園は社会福祉法人や株式会社、NPO法人などが運営する保育園です。
公立保育園も民間保育園も保育水準はさほど変わりませんが、公立保育園には広い園庭やベテランの保育士が多い傾向です。一方、民間保育園は英会話や体操など独自のカリキュラムを用意している園が多くあります。

最近、全国的に公立保育園が民間に移管されつつあります。民間に移管されても同じ保育園に通えますが、保育方針の変更や職員の入れ替わりなどがあります。公立保育園の入園を検討する場合は、民間への移管の有無やスケジュールを確認しましょう。

小規模保育園

0歳から2歳まで入園できる認可保育施設

小規模保育園は、定員が全体で6人から19人以下で0歳から2歳までの乳幼児を対象とした保育園です。
3歳以降も保育の必要があれば転園する必要がありますが、少人数保育により家庭的保育に近い環境で、きめ細やかな保育を受けられるのが利点です。
認可保育施設の一つで、自治体に申込むことで利用できます。

認定こども園

幼稚園と保育園のいいとこどり

幼稚園と保育園が一体化した施設です。認定こども園は、親が仕事や介護などで保育できない「3号認定」と「2号認定」の子どもが、保育園の区分で利用できます。
こども園は幼稚園のイメージがあり3歳から入園できるところと思われがちですが、実は0歳から利用できる園が多くあります。
また、保護者が退職や転職などをしても認定区分を変更することで継続して利用できるのがこども園の利点です。
入園は自治体の調整により決まります。

事業所内保育所(地域枠)

0歳から2歳まで入園可!地域枠は認可保育

事業所内保育所は、企業が従業員の子どもを預かるために設置した保育園です。事業所内保育所の申込区分には、企業の従業員が申し込む「事業所枠」と地域に住む人たちが申し込む「地域枠」がある場合があります。
企業が保育所を設置することは多々ありますが、その中でも、自治体の基準を満たし、一部が認可保育園として開放され近隣に住む子どもたちが通うことができる(「地域枠」のある)施設が認可保育施設となっています。
0歳から2歳までの子どもが通えて、3歳以降は別の園への転園が必要です。
事業所内保育の地域枠は、自治体に申請することで利用できます。

事業所枠の申込→施設に申し込み
地域枠の申込→自治体に申し込み

家庭的保育(保育ママ)

0歳から2歳まで利用可。少人数で家庭に近い保育環境

家庭的保育は、0歳から2歳までの乳幼児を対象にした小規模保育です。定員は3名から5名で、小規模保育園などよりも少ない人数で、家庭に近い環境になっています。

ベビーシッターやファミリーサポートシステムの場合は、保育者の資格は必須ではありませんが、家庭的保育事業の保育ママは有資格者です。保育の経験があり、保育士や教員、看護師などの資格を持っています。
家庭的保育事業は普通の民家で運営されている場合が多く、給食ではなく弁当持参しなければいけないところもあります。

【認可外保育施設】

「直接契約だから入園できるか即わかる」

認可外保育施設は、国の認定を受けていない施設です。認定を受けていないことで保育水準や安全性が不安になりますが、認証保育園(東京都)や横浜保育室など、自治体の定めた基準に基づいた施設も多くあります。

認可外保育施設の特徴の一つは、直接契約であることです。認可保育園の場合、自治体へ申し込むので、その施設を利用できるかどうかわかるまでに時間がかかりますが、認可外保育園は施設への直接申込みのため、入園できるかどうかが比較的早くわかります。

また、認可外保育園も幼保無償化の対象です。3歳から5歳までの子どもたちは月額3.7万円まで、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもたちは月額4.2万円までの利用料が無償化されます(保育の必要性の認定が必要)。
保護者の働き方や所得によっては、認可外保育施設のほうが都合が良いこともあるので、ぜひ確認しましょう。以下は認可外保育施設の種類をいくつか紹介します。

自治体独自の認定を受けた保育園
  • 認証保育園(東京都)
  • 横浜保育室(神奈川県横浜市)
  • 川崎認定保育園(神奈川県川崎市)

自治体(市町村)独自の認定を受けた保育園には、東京都の認証保育園横浜保育室などがあります。横浜保育室は横浜市独自の基準を満たした、つまり横浜市の認定を受けた認可外保育施設です(ややこしい表現ですが、横浜市の認定は受けていても、国の基準は満たしていないため、「認可外保育施設」に区分されます)。0歳から2歳までの乳幼児が対象で、小規模保育によりきめ細やかな保育を特徴としています。

同じ0歳から2歳までを受け入れる認可保育施設の「小規模保育園」との違いは、認可があるかないかです。横浜保育室は認可外保育施設のため、施設へ直接申込みします。また、保育料は助成があり、認可保育園を利用するのに比べて安いことがあります。

ここで挙げた制度以外にも自治体で独自の認定制度を設けていることがあります。お住まいの自治体にお問い合わせください。

企業主導型保育園

パートやフリーランスの人が利用しやすい

企業主導型保育園は、地域の企業が共同で設置する保育施設で、その企業の従業員の子どもが利用できます。企業主導型保育園の受け入れ人数の一部が地域住民向けにも開放されていて、一般家庭の子どもも入園できます。

事業所内保育と企業主導型保育園は似ていますが、最大の違いは国の認可を受けているかどうかです。企業主導型保育園は国の認可を受けていません。そのため、週二、三回通園や日曜開所などをしているところもあり、パートタイマーやフリーランスなどの方でも利用しやすくなっています。

申込方法は、従業員枠も地域枠も園に直接申込みをします。

その他の認可外保育施設

認可外保育園には、インターナショナルスクールとして英語教育に熱心な園や24時間保育をしている園など特徴のある園も多くあります。

認可外保育施設は、各園との直接の申込契約です。また、入園料が必要など認可保育施設とは異なる部分が多くあります。認可保育施設を利用する際には、契約内容をご確認ください。

障がいや疾患をもつ子が通える園

身体障害や慢性疾患などを抱える子どもは保育園に通いづらいのが現状です。けれど、中には障害や疾患をもつ子どもを積極的に受け入れている保育園もあります。

すもーるすてっぷ保育園(神奈川県横浜市)
障害児保育園ヘレン(東京都)
にじいろおうちえん(千葉県)

また、障害や疾患を抱える子どもが保育園に通うにあたり、保護者または園が自治体に加配(保育士を加えて配置することなど)を求めることができます。自治体ごとに手続きが異なりますので、詳しくは自治体にお問い合わせください。

病児保育室

子どもが風邪や病気になると保育園や幼稚園などに通えなくなります。保護者が仕事を休めず子どもの看護・保育ができないときに子どもを預かってくれるのが、病児保育室です。
病児保育室を利用するには、事前の登録が必要な場合が多くあります。働いている人はぜひお住まいの近くの病児保育室を確認しましょう。

保育園は様々な種類があります

保育園は、仕事や介護、病気などで子どもを見守れないときにママパパの代わりに子どもを預かってくれる、頼りになる存在です。保育園には様々なタイプがあるので、お子さんや家庭の事情に合わせて、保育園を選びましょう。