子連れで被災したら?家族と連絡、お迎え、避難…子ども4人のママが考えてみました

ここ数年は台風などの天災が目立つようになり、明日は我が身かもしれないと思うことが増えてきました。自宅には避難するための備えはありますが、家族が離れ離れだった時に災害が起きた時のことをじっくりと考えたことがありませんでした。

そこで、東北大震災の時にどんな行動を取ったのかを思い出しながら、現在の状況と比較してシミュレーションをしてみることにしました。

皆さんもこの機会に一緒に考えてみませんか。

2011年の東北大震災の時と現在の変化

2011年当時、子どもは3歳の長男と1歳になったばかりの次男の2人だけでした。
次男の育休中だった私は、同じく育休中のママたちとお茶をする約束があり、ちょうど家を出ようとしていたときに大きな揺れが来たのでした。

保育園は徒歩10分なので難なくお迎えはできたのですが、夫とは連絡がとれず、ようやく連絡が取れたのは夜の8時でした。そんな夫は職場から約2時間かけて歩いて帰ってきました。

私は当時は育休中で、次男をおんぶして、徒歩で長男のお迎えをして、家で夫を待機しているだけで済んだことが幸いして、わたし自身はあまり困ることはありませんでした。それでも、連絡が取れない夫の帰りを待ちわびている間は、子どもを1人で守らなければならないという不安で押しつぶされそうでした。

しかし、10年経った現在、6人家族になりました。長男は中学生になり、次男と三男は小学生(放課後はキッズクラブ)です。末っ子の四男は保育園に行っています。わたしはいくつかの仕事を掛け持ちしており、曜日によって勤務先が異なります。夫婦共に両親は遠方に住んでいるので、いざという時は頼ることができません。
そのような時に、家族の居場所が5ヶ所になっている日中に震災などの天災が起こったら、パニックになりそうです。

夫はしばらく帰ってこられないものとする

まず、夫と中学生の長男について考えました。夫と長男とは一時避難所と避難所の確認をしてあります。
夫は2011年の時と同じようにその時の状況で判断して対応をします。仕事柄、その日のうちに帰ってこれるかどうかはわかりません。夫は携帯電話があるので、メールの時差はあるかもしれないものの連絡が取れる可能性はあるという点では若干心強いと思います。

長男とは、中学校に入学した際に災害時の手段を確認しています。災害の程度にもよりますが、徒歩30分の中学校に通っている長男は、怪我をしていない限り、避難所までは自力で行くとのことでした。私は、学校から届く「マチコミ」のメールの内容によって迎えに行くかどうか判断します。長男は携帯電話は持っていないので、避難所でスムーズに会えるかどうかは気になるところです。

この2人は基本的には動けるところまでは自力で行動してもらうという形を取ってもらうことにします。

どうする、小学生と園児のお迎え

小学生以下の子どもたちは、災害が起こった場合は誰かがお迎えに行く必要があります。
我が家はお迎えが必要な子どもが3人ですが、その日の私の勤務先によって、次男と三男がいる小学校のお迎えが先か、四男がいる保育園のお迎えが先かどうかが決まることに気が付きました。

小学校には「緊急時のお迎えは親が行く」という申請を出していること、夫はすぐにお迎えに行ける環境にないため、必然的に私がお迎えに行くことになります。

歩いて迎えに行ける距離か?

自宅から徒歩圏内の職場や在宅勤務の場合です。
最初に小学校のお迎えに行き、その後に隣の駅にある四男の保育園へ行きます。車が使えれば車で6.7分で行ける保育園ですが、車や電車が使えない場合は、小学生を避難所で待機させて、徒歩で片道20分かけてお迎えに行くことになります。

いつ戻れるかわからない状況で小学生を待たせることは、私も気が気でなりません。小学生の子どもたちもいつもと状況が異なることへの不安も重なって心細いと想像できます。

園児がどこまで歩けるか…

次に、自宅からバスで出勤する職場の場合です。
保育園の方が近いので、先に保育園に行きます。バスが使えれば、保育園まで約20分かかります。その後にバスか電車で隣の駅にある小学校へ向かいます。もしバスや電車が使えない場合は、徒歩で保育園まで約90分かけてお迎えに行くことになります。そして、末っ子を連れて30分歩いて小学校に行くことになりそうです。

体重が15kgある3歳半の末っ子がどこまで歩けるかどうかで、私の体力と移動にかかる時間も大きく変わってきそうだと感じました。私が保育園までの移動で既に疲労困憊になっている中で、小学生の安否の不安まで抱えていると、四男へしわ寄せが行ってしまいそうです。

子どもがバスで塾に行っていたら?

ところで、次男が週に1回バスを利用して塾へ行っています。もし、この時に災害が起きたら、家族の居場所は6ヶ所、家族みんながバラバラになってしまうパターンもあることも心づもりしておかねばならないことにも私は気が付きました。
次男は携帯電話を持って塾に行くので、連絡が取れれば携帯電話でやり取りをすることになりますが、繋がらない可能性が高いので対策を考えなければなりません。 

災害の度合いとわたしの居場所によって左右する

このように、交通機関が使えるかどうかで、わたしの移動手段と時間が大きく異なってきます。それに伴い、わたしの体力も大きく関係してきそうです。また、その日の勤務場所によって、お迎えのパターンが変わってくることもわかりました。

何よりも家族の居場所が6ヶ所に分かれている時に被災したら、安否確認にどれだけ奔走されるのだろうかと想像を絶します。

今から準備できることは何か

このようにシミュレーションをしてみると、私1人で全てをこなすことには限界があるとわかりました。そこで、今からできることを考えてみました。

1)家族に今回のシミュレーション結果を共有する。
2)家族全員で一時避難所、避難所の場所を再確認する。
2)塾に行っている次男には、もしものために備えて、避難の手段や周囲の人に頼ることを伝えておく。
3)小学生を引き取った後に保育園に行く場合を想定して、小学生2人と災害時のシミュレーションをしておく。
4)毎朝、私の勤務場所を家族にしっかり伝えておく。
5)避難時に四男をおんぶもしくは抱っこするかもしれないので、抱っこできるように日頃から風呂敷などの布を持ち歩いておく。
6)近所で頼れる人を数人見つけておく。

6点のことが思い浮かびました。
災害がなくても、交通機関の乱れが生じた時も冷静に対応ができる、常日頃から親の居場所を把握できていれば子どもたち自身も安心できるというメリットもあると感じました。
また、風呂敷をおんぶや抱っこのためでなく、エコバックとして活用するなどの日常使いができれば自然と持ち歩く習慣ができるのかもしれません。

いつ来るかわからない災害に備えて

頭の中では「わたしがお迎えに行くことになる」ことは理解していたつもりでしたが、今回、実際に1つ1つシミュレーションをしてみたことで、数多くの気づきがありました。特に家族の居場所が6ヶ所になる可能性もあること、勤務先の場所によって行動パターンが異なってくることに気が付いたことで心づもりができました。そして、もし災害に直面しても冷静に判断して動くことができるような気がしてきました。

いつ起こるかわからない災害に備えて、日頃から家族で情報共有をしたり、自分自身が落ち着いて行動できるようにするためにも、まずは自分の実際の動きをシミュレーションしてみませんか。