子どもを預けている時に災害が起きたら、どうする!?

いつ・どこで災害が起きるか分からない今、幼稚園・保育園・一時保育など、お子さんから離れている時に災害が起きたらどうしますか?

すぐにお迎えに行かれますか?
どうやって、あずけ先に連絡を取りますか?
こどもの命を守れますか?

NPO法人コドモトでは2017年に防災プロジェクトを立ち上げ、幼稚園や保育園、公民館などの会場で、乳幼児のいるご家庭向けのワークショップや講座を行っています。

2023年度の講座は、横浜市保土ヶ谷区のピッコリーノ保育園で開催しました。こちらの保育園での開催は、今回で3回目。子育て経験豊富な女性防災士が講師となり、もしもの時にどうしたら良いのか、家族を守る方法を学んでいます。

LINEも電話が繋がらない!そんな時、どうする?

災害時は停電している可能性が高く、携帯電話の電波が混み合って繋がりにくなっている可能性もあります。そんな時に、お子さんの預け先と連絡が取れる手段は何でしょう?

ピッコリーノ保育園で防災講座を始めたのは、2年前のコロナ禍のこと。初めて開催した21年度から、毎回必ず、非常時を想定した連絡通信訓練を行っています。
被災時の連絡手段として注目されているのは災害用伝言ダイヤル「171」ですが、実際に「使ってみた事がある」という方は少ないのでは?

ピッコリーノ保育園では、年1回の引き取り訓練に併せて防災講座を行い、「①あらかじめ保育園から171に伝言を託しておく→②保護者は引き取り訓練前に伝言を聞き迎えへ→③園で待機する先生に伝言の内容を報告する。」という手順で、保護者に実際に171を使ってみてもらう機会を設けています。

防災訓練は「必要なこと」「参加しなければいけないもの」とは分かっていても、いつもより早い時間にお迎えにくる「引き取り訓練」は、どうしても面倒に感じてしまうもの。実際に被災した経験がない限り、自分事としては捉えにくい感じも否めません。

そこで、コドモトの防災講座では、可能な限り体験の時間を設け、乳幼児家庭向けのポイントをたくさん盛り込んで、一緒に考えてもらえる時間になるように企画・運営しています。

避難所に「いく・いかない」どうやって決める?

今年度の講座テーマは「在宅避難」。コドモトオリジナルの防災ハンドブックを片手に、まずはどういう時に避難所へ行くべきなのか考えてみました。

小学校の体育館などの避難所の場合、1人当たりの想定面積は畳1枚分。一般的な想定では200名程度しか受け入れる事ができず、4人家族なら50組しか入れません。でも実際には、小学校の在校生家族だけでも50組以上になりますよね。

そうなると…、避難所はギュウギュウ。場合によっては、中に入れない可能性も出てきます。状況にもよりますが、小さなお子さんを抱える子育て世代は無理に避難所へ行くのではなく、可能な限り在宅避難をおすすめします。

※コドモト防災ハンドブック
https://www.kodomoto.info/articles/bousai_handbookPJ_2023_uketori

※オンライン版ハンドブック
https://bousai.kodomoto.info/bousai_handbook

家族の避難準備は万全ですか?

在宅避難を基本として備えるとしても、まずは自分の生活エリアの状況を知ることから始まります。
例えば、横浜市の給水所には4つの種類があり、ピッコリーノ保育園から一番近い給水所は「緊急給水栓」と呼ばれるタイプのもの。こちらは被災4日目から(順次)提供が開始されることになっていますので、3日目までは各家庭や施設で備蓄した水で賄わなければいけません。

ちなみに、大人2人+こども2人の4人家族の場合…、1日に必要になる水の量は3L×家族の人数=12L。3日分を備蓄するには2Lのペットボトル6本入りのケースが3箱は必要になりますし、給水栓開栓後も、(お子さんを連れて)12L=12kgのお水を毎日もらいに行くことになります。

もしもの時の防災食、お子さんと食べたことはありますか?

非常時とはいえ、普段食べ慣れない味に拒否感を示すお子さんは多くいます。災害時でも、できる限り栄養をとってもらうためには、普段から防災食を食べ慣れておくことが大切。乾パンやアルファ化米といった避難所の備蓄食だけでなく、自宅でも缶詰などのローリングストックを食べ慣れておきましょう。
家族みんなで「食べておく」という経験が、いざという時に役に立ちます。

今年の講座では、生のお米を高密度ポリエチレンの袋に入れて湯煎で炊き上げる、パック炊飯を見学。実際にご飯を試食してもらいました。

最近のお米は精米精度が上がっているので、研がなくてもそのまま炊いて食べられます。「食べられる」のは知っていても、味はどう違うのか、パック炊飯をする時に注意するポイントはどこなのか、実際に食べてみたことのある方は少ないのではないでしょうか。

実は、このパック炊飯、今回の講座では3回炊飯した内、2回は炊き加減にムラが出てしまいました。どうやら湯煎する水の量と温度に問題があったようなのですが…こういったことが分かるのも、実際に体験してみたからですね。

コドモトの防災講座は、カスタマイズ可能

ピッコリーノ保育園での防災講座も丸3年。毎年40名近い保護者が参加してくれるせっかくの機会だから、防災意識を高める有意義な時間にしたい!という思いで、年度ごとに内容を変更して講座を行なっています。

子育て家庭に普段からある食材でローリングストック(備蓄品)を考えたり、外出先での被災を想定して風呂敷抱っこを練習したり、オムツを非常用トイレとして活用したり、身近なものを利用してさまざまなアイディアをご提案しています。

NPO法人として、横浜で子育てサロンを運営してきたコドモトだからこそご提供できる防災講座。親御さんの学びや気付きのきっかけとなる内容を、参加者や会場に合わせて開催します。
幼稚園・保育園の先生方を対象とした講座も開催可能です。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

※コドモト防災プロジェクトの活動
https://www.kodomoto.info/articles/bousai_pj

<NPO法人コドモト>

防災講座に関するお問い合わせは、上記までお願いいたします。

子育て情報サイト「コドモト」https://www.kodomoto.info/
HPhttps://www.kodomoto.info/articles/organization_details
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防災関連のお問い合わせhttps://bousai.kodomoto.info/contact_us